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2歳児の発語の遅れ、どう伝えるべき?
2歳児クラスで「2歳5ヶ月になってもまだ言葉が出ない」といったお子さんを目の当たりにすると、保育者として「早く療育に繋げなければ、成長を妨げてしまうのでは」と焦りや不安を感じることがあります。
しかし、保護者の理解が追いついていない段階で、一方的に療育を勧めることは逆効果になりかねません。今回は、早期介入・早期療育の本当のメリットと限界、そして保育者が持つべきスタンスについて解説します。
1. 早期介入・早期療育の「3つのメリット」
早くから専門的な支援を受けることには、主に以下の3つの良さがあります。
• 適切な親子関係の構築: 特性のあるお子さんは「育てにくさ」を感じさせることが多く、保護者が放置気味になったり、逆に過剰な教育(訓練)に走ったりすることがあります。早く特性を知ることで、その子に合わせた適切な関わり方を習得でき、親子関係の悪化や虐待の防止に繋がります。
• 本人のストレス軽減と成功体験: 適切な環境を整えることで、お子さんが園生活で叩く・噛む・パニックといった行動で表現する必要がなくなります。「達成感」を持って活動できるようになり、本来持っている成長を促すことができます。
• 将来の「二次障害」の防止: 思春期以降に起こりうる不登校やうつ病などの二次障害を防ぐためには、幼児期からストレスの少ない環境を整え、周囲の理解を促す長いスパンでの取り組みが重要です。
2. 知っておくべき「療育の限界」
一方で、療育には限界があることも正しく理解しておく必要があります。
療育を受けたからといって、発達の特性そのものが「治る」「なくなる」わけではありません。 例えば、「短期的な記憶の難しさ」や「手先の不器用さ」などは、訓練によって劇的に改善するものではないという前提を持つことが大切です。療育は「治す場所」ではなく、「特性を持ちながらも、どうすれば生活しやすくなるか」を学ぶ場所なのです。
3. 保育者が持つべき「3つのスタンス」
保護者へ提案する前に、まずは以下のマインドセットを確認しましょう。
• 今の保育も立派な「早期療育」: 保育者が「この子にはどう関われば良いか」と試行錯誤し、お子さんが意欲的に活動できるよう工夫していること自体が、すでに早期介入・早期療育そのものです。焦って専門機関に送ることだけが支援ではありません。
• 問題だけを突きつけない: 「発達に特性があります」という問題だけを伝えるのは、保護者にとって非常に酷なことです。必ず「地域の療育機関で、1歳半から個別支援をしてくれる場所があります」といった、具体的な選択肢(解決策)とセットで提示しましょう。
• 信頼関係を土台に「気長に」: 一方的に押し付けるのではなく、まずは園での課題解決を共有し、保護者との信頼関係を築くことを最優先にしてください。保護者が受け入れられるタイミングを待つ姿勢も必要です。
まとめ
早期療育を成功させるには、「保護者の受け入れ」と「地域の支援体制」が揃っていることが不可欠です。
まずは自分の自治体にどのような支援があるかを確認しつつ、園と家庭が同じ方向を向けるパートナーとして、ゆっくりと歩みを進めていきましょう。
また、保育の実践研修については、療育と保育の学びの会(児童発達支援事業のための研修)をご確認ください。
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