【発達の特性/発達障がい】習い事選びの鉄則:「将来役立つもの」よりも「本人の興味」を優先すべき理由

発達障害と習い事 不登校支援

1. はじめに:保護者からの質問

今回は、小学校3年生の男の子の保護者の方から寄せられた、習い事に関する具体的な質問にお答えします。

【ご質問の要旨】 発達の特性のある子どもに習い事をさせる際、配慮は必要でしょうか?親としては、プログラミングなど将来役立つものをさせたいと考えています。

この質問に対して、発達の特性の有無にかかわらず、習い事全般に共通する基本的な考え方と、特性を持つお子さんへの具体的な配慮のポイントを解説します。

2. 習い事選びの基本的なスタンス

習い事を選ぶ際の最も重要な前提は、「保護者さんがやらせたいもの」ではなく、「本人が興味がある、好きである」という観点です。これは、発達の特性のあるお子さんに限らず、すべてのお子さんに当てはまる基本原則です。

習い事で本人の興味を優先すべき理由

本人の興味・関心がない状態で習い事を続けても、以下のような状況に陥るリスクがあります。

達成感が感じられない:興味がないため、活動を通じて達成感を味わうことが難しい。

上達への意欲が湧かない:いやいややっている状態では、「努力してうまくなろう」という気持ちが出ません。

自己肯定感の低下:達成感を得られない状態が続くと、結果として自己肯定感を持てる機会が少なくなってしまいます。

したがって、習い事は、まず本人が興味を持てるものを前提として選択することが重要です。

3. 習い事の真の目的とは?

保護者の方から「プログラミングなど将来役立つもの」を希望する声が上がるのは自然なことです。しかし、一般的な習い事の目的は、必ずしもその道のプロフェッショナルになることだけではありません。

習い事がもたらす重要な経験

習い事を通じて得られるより重要な経験は、以下の2点です。

1. 自己肯定感を持つ機会:活動自体が上達していく過程で、自分自身が肯定できる感覚を持つこと。

2. 他者との関わり:他のお子さんとの関わりを経験すること。

プログラミングについても、もしご本人が興味を持って「やりたい」ということであれば、習い事として選択することは全く問題ありません。

4. 特性に応じた配慮と、うまくいかない場合の対処法

発達の特性があることを理由に過度に心配しすぎるよりも、まずは「本人の興味のあるもの」を選択することが大切です。

うまくいかない時の心得

習い事がうまく続かない、合わないと感じる場合も当然あります。その際は、保護者さんが「次のところに切り替える」くらいの軽い気持ちで臨むことが推奨されます。

発達の特性を考慮した配慮のポイント

あえて発達の特性という観点から、習い事の選択時に配慮できる点もあります。

もしお子さんが「集団で活動するのが苦手」という特性を持っている場合、習い事の内容や形式を以下のように選ぶことが、有効な配慮となり得ます。

個別対応(1対1)が可能な教室を選ぶ:例えば、個別で指導してくれるプログラミング教室や、ピアノ教室など、一対一で集中して取り組める環境を選ぶことです。

ただし、この配慮のポイントも、お子さんそれぞれの特性に依存します。

5. まとめ

習い事を通じて、お子さんが達成感を覚え、自己肯定感を持つ機会を増やしていくことが何よりも大切です。発達の特性を気にしすぎるより、本人の「好き」という気持ちを尊重し、習い事を選択していきましょう。